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バリスタが教える!カフェインは1日何mgまで?コーヒーは何mlまで?|各国の食品安全機関によるカフェインへの見解まとめ|

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世界各国の食品安全機関によるカフェインの見解まとめ アイキャッチ

日常的に飲んでいるコーヒーやお茶。

そのどちらにもよく含まれている「カフェイン」は、「適正量」を知らないと体の不調を起こしてしまします。特に妊婦の方や授乳中の方、未成年はカフェインをどれくらい摂取していいのかどうか気になりますよね。

ただその適正量は正式に定められていません。なぜなら個人差があまりにも激しいから。

なので今回は皆さん「それぞれの状況に合った」適正量を知っていただくためにも、食品安全委員会やWHOなど、世界各国ののカフェインに対する正式な見解や基準をまとめました。

皆さんの適正量を自身で把握していれば、カフェインをより効果的に利用でき、メリットを享受することができます。ぜひ参考にしてみてください。

【結論】1日のカフェイン適正量とカフェインによる効果

この記事のまとめ・1日にコーヒー3〜5杯分(約270mg〜450mg)であれば健康上問題はなし
※ただし妊婦の方、授乳中の方、10歳以下、その他健康上優れない状況にある方は除く。
・適正な量、適切なタイミングを守って摂取すれば、集中力や健康などに良い効果が期待できる

それでは具体的にみてみましょう。

カフェインとは?

カフェイン 化学式

カフェインと聞くと思い浮かべるのがやはりコーヒーですよね。

カフェインとは、主にコーヒー豆やカカオ豆、茶葉に含まれる成分の一つです。

コーヒー豆から抽出されるコーヒーはもちろん、カカオ豆から作られるチョコレート茶葉から抽出される緑茶や紅茶にカフェインが含まれます。

またアルカロイドという化合物の仲間で、実は医薬品にも使用されています。

つまりカフェインとは、日常的な飲料品や、非常時に飲まれる医療品にも含まれる、私たちの健康に様々な環境で良い効果を与える化学物質です。

カフェインを多く含む食品

カフェインを多く含む主な食品は以下の図の通りです。

飲料別カフェイン量グラフ

エナジードリンク 30-300mg(各メーカーにより差異あり)
玉露 160mg
チョコレート 20-100mg
コーヒー 60mg
紅茶 30mg
ウーロン茶 20mg
緑茶 20mg
コーラ 9mg

(参考:平成30年 食品安全委員会 ファクトシート「食中のカフェイン」及び日本コカ・コーラ株式会社 公式ホームページ より)

種類によってはエナジードリンクやチョコレートはコーヒーよりもカフェインが多いですね。意外と玉露にもカフェインが多く含まれています。

玉露は高級なお茶としても有名です。ただ日常的にはあまり飲まれないと思います。

参考値にはなるものの、コーヒー以外の飲み物や食品にも多くカフェインが含まれていますね。

チョコレートにもカフェインは含まれている!コーヒーのお供は要注意!

チョコレートの原料となるカカオにはカフェインが含まれます。

特にカカオが多く含まれているダークチョコレートにはより多くのカフェインが含まれていることが分かっています。

上記の図でも20-100mgと幅がありましたが、これはミルクチョコレートとダークチョコレートの含まれているカカオの含有量が異なることからカフェイン量に差が出ているのです。

厚生労働省が公開している2008年の調査では、高カカオのチョコレートにはカフェインも多く含まれている研究結果があります。

チョコレートに含まれるカカオの割合とカフェイン量
(2008年厚生労働省調査資料を元に執筆者が作成)

カカオの割合(青の棒グラフ)が高いと、カフェインの量(オレンジ色の折れ線)も高いですね。

逆にカカオの割合が低いと、カフェインの量も低くなっています。

カカオが70%以上含まれているチョコレートの全てがコーヒーのカフェイン量(60mg/100ml)を超えています。

もちろん100gのチョコレートを一気に食べることはあまりないと思います。市販で売られている板チョコで約50gです。

つまりチョコレートを食べる時は以下の点に気をつけましょう。

・カカオを多く含むダークチョコレートを100g以上(板チョコで2枚以上)食べること
・コーヒーと一緒にダークチョコレートを食べること

以上の点に該当する方で、頭痛がしたり気持ち悪くなったりした方はカフェインの過剰摂取が原因の可能性があります。

一度見直してみるといいかもしれません。

カフェインのメリット・デメリット

カフェインには、私たちヒトの体に様々な効果をもたらします。
次の図でメリットとデメリットをご紹介します。

メリット デメリット
眠気を覚ます 過剰摂取でめまいや震えなど急性作用が起こる
自律神経の働きを高める
集中力を高め作業効率を向上させる
運動能力を向上させる

眠気を覚ますー覚醒作用

カフェインには眠気を覚ます覚醒作用があります。よくカフェインを飲むと頭がシャキッとしたり、逆に夜だと眠れなくなったりするのはこの覚醒効果によるものです。

カフェインは覚醒効果のある世界で一番摂取されている物質です。皆さんもよくこのカフェインの覚醒効果については聞いたことがありますよね。

この覚醒効果のメカニズムは次の図をご覧ください。
カフェインの覚醒効果のメカニズム

「アデノシン」という物質が脳内で分泌され働くことで眠気を引き起こします。

カフェインはそのアデノシンの働きをブロックし、眠気を抑えて覚醒効果を発揮します。

アデノシンは睡眠を引き起こす代表格です。

自律神経を整える

自律神経は次の2つの神経に分かれます。

・交感神経=活動する神経
・副交感神経=休む神経

カフェインはこの交感神経に働きかけます。

日中の活動において交感神経に働きかけることは効果的とされています。

一方で夜中など副交感神経が優位に働いている場合や自律神経を患っている方には、カフェインの摂取はなるべく控えるべきです。

「自律神経失調症」という病気の原因の一つにもなりかねません。

疑いがある方は気をつけましょう。

集中力を高め作業効率を向上させる

集中力を高める効果は、交感神経の働きかけによる効果です。

交感神経を高めることによって様々な効果を得られますが、その代表と言ってもいいでしょう。

一踏ん張りしたい時、ここ1番の山場を乗り越えたい時、コーヒーを飲む方も少なくないと思います。

ただし気をつけたいのは、この効果は一時的なものであるということ。

効果が切れればまたカフェインを欲し、その状況が繰り返されると「カフェイン依存症」にもなりかねません。

仕事もカフェインもほどほどにしましょう。

運動能力を向上させる

運動能力を向上させる効果も、交感神経の働きかけによる効果です。

コーヒーはダイエットにも効果的、と言われる理由が、このカフェインの運動能力向上の効果のためです。

1日何杯までOK?〜世界各国の食品安全機関によるカフェインへの見解まとめ〜

カフェインの適正量の見解は各国の食品安全機関によって様々です。

なぜならその国の食文化や環境によってカフェイン耐性がヒトそれぞれ異なるからです。

この章では各国の食品安全機関から発表されているカフェインの一日の許容量を年齢や状況別でまとめました。

皆さんの該当する部分が、各機関によってどう指摘されているか、次の図でみていきましょう。

まとめた各食品安全機関と対象とする状況は次の通りです

対象・妊婦
・授乳中の女性
・健康な子供、青少年(4-6歳、7-9歳、10-12歳)
・健康な成人

【食品安全機関】
・WHO(世界保健機関)
・ヨーロッパ:欧州食品安全機関(EFSA)
・カナダ保健省
・イギリス:英国食品基準庁(FSA)
・ドイツ:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
・オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)
・アメリカ:米国食品医薬品庁(FDA)、米国疾病管理予防センター(CDC)
・フィンランド食品安全局(EVIRA)
・日本:食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省、消費者庁

妊婦

妊婦

妊婦
世界保健機関(WHO) 300mg/日
約コーヒー2-3杯分
ヨーロッパ(EFSA) 200mg/日
約コーヒー1-2杯分
カナダ保健省 300mg/日
約コーヒー2-3杯分
イギリス(FSA) 200mg/日
約コーヒー1-2杯分
ドイツ(BfR) 200mg/日
約コーヒー1-2杯分
オーストラリア・ニュージーランド(FSANZ) 300mg/日
約コーヒー2-3杯分
アメリカ(FDA・CDC) 注意喚起のみ
フィンランド(EVIRA) 注意喚起のみ
日本(食品安全委員会・厚生労働省ほか) 注意喚起のみ

妊婦の方は1日に200-300mgまでが体に悪影響を及ぼさない見解になっていますね。

コーヒー1杯あたり(150ml)カフェイン量は、約90mgです。なので大体コーヒーは2,3杯までなら影響は出にくいとされています。

ただし、妊婦に対してこれだけの国がカフェイン量を定めたり注意喚起をするということは、やはり妊婦の方はカフェインをなるべく控えた方がよさそうです。

※妊娠中でもどうしてもコーヒーを飲みたい方!
カフェインレスコーヒー(デカフェ)を飲みましょう。
カフェインレスコーヒーとは、カフェインを極限まで減らしたコーヒーです。最近ではこのカフェインレスコーヒーもとても美味しくなってきています。どうしても飲みたいという方であればカフェインレスコーヒーを飲みましょう。
カフェイン量も約1mg未満/100mlがほとんどです。

授乳中の女性

授乳中の女性

授乳中の女性
ヨーロッパ(EFSA) 200mg/日
約コーヒー1-2杯分
カナダ保健省 300mg/日
約コーヒー2-3杯分
ドイツ(BfR) 200mg/日
約コーヒー1-2杯分
世界保健機関(WHO) 注意喚起のみ
イギリス(FSA) 注意喚起のみ
オーストラリア・ニュージーランド(FSANZ) 注意喚起のみ
アメリカ(FDA・CDC) 注意喚起のみ
フィンランド(EVIRA) 注意喚起のみ
日本(食品安全委員会・厚生労働省ほか) 注意喚起のみ

授乳中の女性に関してもいくつかの機関から見解がありました。

もちろん健康被害が起きないラインを提示していますが、妊婦の方と同様にカフェインが悪影響を及ぼす可能性があります。

極力控えておいた方がよさそうです。

健康な子供【4-6歳】

4歳の女の子

健康な子供【4-6歳】
ヨーロッパ(EFSA) 3mg/kg体重/日
体重16kgの場合、51mg/日 板チョコレート 2枚ほど
カナダ保健省 45mg/日
板チョコレート 2枚ほど
オーストラリア・ニュージーランド(FSANZ) 95mg/日
板チョコレート 4枚ほど
世界保健機関(WHO) 注意喚起のみ
イギリス(FSA) 注意喚起のみ
ドイツ(BfR) 注意喚起のみ
アメリカ(FDA・CDC) 注意喚起のみ
フィンランド(EVIRA) 注意喚起のみ
日本(食品安全委員会・厚生労働省ほか) 注意喚起のみ

4-6歳の子供に対しての見解も公表されています。

お子様にコーヒーを飲ませることはあまりないと思います。一方でチョコレートや日常的に飲まれているお茶にもカフェインが含まれています。

過剰摂取しなければ問題ありません。大人でも板チョコを2枚も食べるのは大変だと思います。

ただしあくまで目安ですので、ぜひ一度お子様の口にしているお菓子や飲み物など見直してみると良いかもしれません。

健康な子供【7-9歳】

7歳の男の子

健康な子供 7-9歳
ヨーロッパ(EFSA) 3mg/kg体重/日
体重24kgの場合、72mg/日 板チョコレート 3枚ほど
カナダ保健省 62.5mg/日
板チョコレート 3枚ほど
オーストラリア・ニュージーランド(FSANZ) 95mg/日
板チョコレート 4枚ほど
世界保健機関(WHO) 注意喚起のみ
イギリス(FSA) 注意喚起のみ
ドイツ(BfR) 注意喚起のみ
アメリカ(FDA・CDC) 注意喚起のみ
フィンランド(EVIRA) 注意喚起のみ
日本(食品安全委員会・厚生労働省ほか) 注意喚起のみ

7-9歳までの子供に対しての見解です。

年齢が高くなるにつれて、カフェイン耐性も強くなる傾向にあります。

お菓子にチョコレートを好んで食べるお子様も増えてくる時期かもしれません。

過剰摂取には気をつけましょう。

健康な子供【10-12歳】

10歳の男女

健康な子供 10-12歳
ヨーロッパ(EFSA) 3mg/kg体重/日
体重34kgの場合、102mg/日 板チョコレート 4枚ほど
カナダ保健省 85mg/日
板チョコレート 3枚ほど
オーストラリア・ニュージーランド(FSANZ) 95mg/日
板チョコレート 4枚ほど
世界保健機関(WHO) 注意喚起のみ
イギリス(FSA) 注意喚起のみ
ドイツ(BfR) 注意喚起のみ
アメリカ(FDA・CDC) 注意喚起のみ
フィンランド(EVIRA) 注意喚起のみ
日本(食品安全委員会・厚生労働省ほか) 注意喚起のみ

10-12歳の子供に対しての見解です。

各機関では、大体コーヒー1杯分に近いカフェイン量の見解を出しています。

健康な成人

コーヒーを持つ男女

健康な成人
ヨーロッパ(EFSA) 400mg/日
約コーヒー3杯分
カナダ保健省 400mg/日
約コーヒー3杯分
ドイツ(BfR) 400mg/日
約コーヒー3杯分
オーストラリア・ニュージーランド(FSANZ) 400mg/日
約コーヒー3杯分
世界保健機関(WHO) 注意喚起のみ
イギリス(FSA) 注意喚起のみ
アメリカ(FDA・CDC) 注意喚起のみ
フィンランド(EVIRA) 注意喚起のみ
日本(食品安全委員会・厚生労働省ほか) 注意喚起のみ

自律神経症や怪我、持病をお持ちではない、健康な成人の方のカフェイン目安です。

見解を出している国の全てが「400mg/日」という基準でした。大体コーヒー3杯分くらいですね。

何度もお伝えしているように、国によって食文化も環境も全く異なります。「3杯までなら大丈夫」というわけでは決してありません。

ご自身の体調や耐性を鑑みてカフェインを含む食品を楽しんでください。

まとめ

以上カフェインについて、そもそもカフェインとは何か、そのメリットデメリット、そして各国の食品安全機関による見解についてお伝えしました。

それらを踏まえた上でまとめます。

この記事のまとめ・1日にコーヒー3〜5杯分(約270mg〜450mg)であれば健康上問題はなし
※ただし妊婦の方、授乳中の女性、12歳以下、その他健康上優れない状況にある方は除く。
・適正な量、適切なタイミングを守って摂取すれば、集中力や健康などに良い効果が期待できる

カフェインは私たちにとって味方となる存在です。

正しい知識と対処法を知った上で、効率よくカフェインを摂取し生活を充実させていきましょう。

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